SNSに流れてきた写真や動画が、本当に撮影されたものなのか。それともAIによって作られたものなのか。見た目だけで判断しにくい時代になりました。
2026年10月29日、GoogleはAI生成コンテンツに含まれる電子透かしを調べる「SynthID Detector」を、英語で世界の一般利用者向けに公開しました。画像・動画・音声が、対応するAIによって作られたものかどうかを確認するためのツールです。
ただし、あらゆるAI画像を見破れる万能な判定機ではありません。 機能と限界を理解したうえで使う必要があります。
SynthID Detectorとは?
DX担当 ちゃま男先輩、写真みたいなAI画像が増えましたよね。これがあれば全部見分けられるんですか?
ちゃま男の先輩全部ではないよ。AIで作る際に埋め込まれた“電子透かし”を検出する仕組みなんだ。透かしが付いていない画像まで必ず判定できるわけではないんだよ
SynthIDは、Google DeepMindが開発してきた電子透かし技術です。対応するAIが生成した画像や動画などに、人の目では気づきにくい情報を埋め込みます。SynthID Detectorは、その透かしを検出するための確認ツールです。
Googleの発表によれば、Google製AIに加え、一部の提携先が生成したコンテンツの確認にも対応しています。ただし、どの製品・形式・時点の生成物に対応するかは利用環境で確認する必要があります。
「透かしあり」「透かしなし」は何を意味する?
透かしが検出されれば、対応するAIで生成または編集された可能性を判断する材料になります。
一方、透かしが検出されなかったからといって、人間が撮影した本物だとは証明できません。
非対応の生成AIを使った画像や、処理によって透かしを検出しにくくなった画像も考えられるためです。
利用するときの基本的な確認手順
- 元の画像・動画・音声ファイルを可能な限り入手する。
- 公式のSynthID Detectorで対応形式・利用条件を確認し、ファイルを検査する。
- 検出結果を確認する。ただし判定結果だけで真偽を断定しない。
- 必要に応じて発信元、撮影日時、複数の独立した情報源とも照合する。
2026年11月3日時点では英語提供と案内されています。利用画面・対応形式・上限などは更新される可能性があります。
中小企業ではどこに影響する?
顧客や取引先を装う偽画像
社長の写真、会社のロゴ、実在する工場のような画像を作り、信用させる手口が考えられます。
画像だけで送金・契約変更・アカウント操作を決めないルールが重要です。
SNSや広告の素材確認
外注先から受け取った広告画像について、AI生成の有無を把握したい場合があります。
ただし透かし判定は、著作権の帰属や利用許諾の有無を判断するものではありません。
社内の情報リテラシー教育
新しい画像が共有されたとき、まず「誰が、いつ、どこで公開した情報か」を確認する習慣が必要です。
判定ツールはその補助として位置づけましょう。
DX担当 ちゃま男透かしが出なければ安全、ではないんですね
ちゃま男の先輩そう。見分ける技術と、騙されても重大な判断を間違えない社内ルールはセットで考えよう
中小企業が取るべき4つの対策
優先度1:重要な依頼を画像・動画だけで承認しない。
振込先変更や機密資料の送信依頼は、既存の連絡先へ電話するなど別経路で確認します。追加費用をほぼかけずに始められます。
優先度2:情報の出所を記録する。
広告素材や商品画像の作成者・入手元・利用許諾を管理します。
優先度3:不審な画像の検証手順を決める。
SynthID Detectorなどの検証結果、元ファイル、公開元を合わせて確認します。
優先度4:従業員に限界も教える。
「AI生成を検出できない=本物」という誤解を防ぎます。
まとめ|AIを見分ける技術は判断材料の一つ
SynthID Detectorの一般公開により、対応するAI生成コンテンツを確認する手段が広がりました。しかし、どのAI画像でも確実に検出できるわけではありません。
企業が本当に整えるべきなのは、素材の出所を確認することと、重要な業務判断を一つの画像・動画だけで行わないことです。AI判定ツールと社内の確認ルールを併用していきましょう。
参考資料
※2026年11月3日時点の公開情報に基づきます。

