先輩!!
最近、食品関係のお客様からHACCP(ハサップ)対応で
忙しいとよく聞くけどどういう意味にゃ?
ちゃま男くん、HACCPについて興味を持っているようだね。
HACCPを知るなら、まずは食品衛生法から勉強してみよう。
- 食品製造、加工会社の衛生管理、品質管理のご担当の方
- 飲食店を経営されている方
- HACCPの基本概要を知りたい方全般
食品衛生法の基礎知識
食品衛生法とは
「食品衛生法」は飲食による健康被害の発生を防止するために、1947年に定められた法律です。
食品を提供するスーパーマーケットなどの小売店や、食事を提供する飲食店、食品に関わる添加物や容器包装を扱う企業など、食品業界の事業者全体が対象とされています。
前回の法改正から15年が経過しており、食を取り巻く環境の変化や国際化等に対応して食品の安全を確保するため、
この食品衛生法の改正が2018年の6月に衆議院で可決されました。
法律の効力が現実的に発動し、作用するのは「施行」が行われた後になるので、 施行は2年間に渡って行われることになります。
改正の7つの概要
改正内容をまとめました。
①大規模又は広域におよぶ「食中毒」への対策を強化
②HACCPに沿った衛生管理の制度化
③特定の食品による「健康被害情報の届出」を義務化
④「食品用器具・容器包装」にポジティブリスト制度を導入
⑤営業許可制度の見直し、営業届出制度の創設
⑥食品等の「自主回収(リコール)情報」は行政への報告を義務化
⑦「輸出入」食品の安全証明の充実
改正ポイントの②にあたるのが、 「HACCP」 の管理手法に基づいた衛生管理となります。
⑤に関しても、 「HACCP」 に沿った衛生管理の制度化に伴い、食品等事業者を把握できるよう、営業の届出制度が創設され、食中毒等のリスクや、食品産業の実態を踏まえ、営業許可が必要な業種の見直しが行われました。
つまり食品衛生法の中にHACCPという管理手法が、
採用されているということなんだね。
そうなんだ!!ここまでは理解できたにゃ!!
「HACCP」について
HACCPとは
「HACCP(ハサップ)」は、アメリカのアポロ計画の中で宇宙食の安全性を確保するために発案された衛生管理手法です。その後、食品業界に評価されたことをきっかけに、次第に世界に広がり、いまでは衛生管理の国際的な手法となりました。
食品等事業者自らが食中毒菌汚染や異物混入等の危害要因を把握して、原材料の入荷から製品の出荷に至る全工程の中で、それらの危害要因を除去又は低減させるために特に重要な工程を管理し、製品の安全性を確保しようとする衛生管理の手法です。
実は、HACCP の食品衛生管理システム自体が今回の法改正で、初めて日本に導入されたわけではないんです。
日本では1998年に初めて 「HACCP」 支援法が制定され(2013年改正)食品事業者の HACCP導入推進のために制定されました。
しかし、中小企業では導入が進まず、2020年では、大手企業では8割近く導入されている反面で、中小企業においては約3割しか 「HACCP」 システムの導入が進んでいなのが現状です。
HACCPの歴史
「HACCP」 元年は、アメリカでピルスベリー社のボウマン博士が、NASAの宇宙開発計画に参加した1959年です。
抜取検査では宇宙食の100%に限りなく近い安全性を保証できないことに気付いたことから、100%に限りなく近い安全性を保証する手段として、HACCPの基本的な考え方を、NASAのプロジェクトで、ボウマン博士らが開発したのです。
しかし、この 「HACCP」 の考え方が、米国の食品業界において日常の食品製造における優れた衛生管理の方法として、すぐに評価され(ゼロリスクではない)スムーズに採用されたわけではないんです。
まず、1971年に 「HACCP」 を全米食品保護会議で提案しましたが、受けいられませんでした。
しかしこの年にアメリカ国内の複数の缶詰メーカの製品からボツリヌス菌中毒が発生したことにより、米国の缶詰会社全体の衛生管理とFDA(アメリカ食品医薬品局)の指導に対して、米国民の信頼を失ってしまいました。
ここから 「HACCP」 の管理手法が注目され、徐々に、浸透をしていくことになります。
なんと、優れた衛生管理の手法として広く認識されるまでには30年の時間がかかっているんですね。
誰が決めてるの?
「HACCP」 は 国連の国連食糧農業機関(FAO)と世界保健機関(WHO)の合同機関である食品規格 (コーデックス) 委員会から発表され,各国にその採用を推奨している国際的に認められたものになります。
以下の記事でより詳しく説明していますので参照してみてください。
HACCPの意味
「HACCP」の意味ですが、「Hazard(危害), Analysis(分析), Critical(重要), Control(管理), Point(点)」の頭文字をとってできた造語になります。
「HACCP」 は大きくは、 危害(Hazard) とその 管理(CCP) という意味から成り立っています。
各製造工程における危害(Hazard)を最重要管理点として管理(CCP)し、起こりうるリスクを分析し、人体に危害が起きる可能性を限りなく減らすための衛生管理手法なのです。
HACCP の考え方では人体の生命に影響を及ぼすものを危害(Hazard)と位置付けます。
例えば有害な病原微生物や肉の骨片、刃物、アレルギー物質などは危害要因として管理しますが逆にビニール片や毛髪などは一般衛生管理(OPRP)として扱われます。
各工程における危害要因がどういうもので、これをどう殺滅、除去するのか CCP(重要管理点)の基準を定めます。
その基準を逸脱した時、その製品をどうすれば元のラインに戻せるのか(改善措置)、戻せないと判断された基準を逸脱した商品をどう取り扱うのか。細かく決め、逸脱した製品が出荷されないようの12手順7原則に従い管理していきます。
どうかな。これで、HACCPの基本的な概要は理解してもらえたかな?
はい!!HACCPが何なのかよく理解できました。
良かったね。また別の機会にHACCP管理の
具体的な進め方は説明するね。
HACCPって食べ物の名前かと思ってたのは内緒だにゃ。
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