日本のデジタル化の現状
コロナ禍で急速にデジタル化が進みました。さらには、2021年には、デジタル庁も発足し、「誰も取り残さないデジタル化」を掲げていますが、取り組むにはまだまだ課題があります。この記事では、現状や課題を解説していきます。
日本企業のDXの取り組みレベル
新型コロナの感染拡大とその防止の中で、デジタル化は思わぬ形で進みました。一方で、日本が、ほかの先進国と比べて、デジタル化の普及の中で、遅れているということも顕著になりました。スイスの国際経営開発研究所によると、2020年の日本の「デジタル競争力」は主要63ヵ国中27位です。
下の図を見てもわかる通り、経済産業省の調査では、企業の95%がDX化に「取り組んでいない」「取り組み始めた」段階であることが伺え、全社的な危機感の共有や意識改革のような段階に至っていないということが予測されます。
ただし、裏を返せば、デジタル化によって生産性を向上させたり、新たなビジネスチャンスを開拓できる余地がまだ十分に残されていることを意味しています。ペーパレス化や、データやニーズ分析をより簡単にしたり、人手不足の解消、販路の拡大など、そのメリットは多数あります。
中小企業デジタル化の課題
多くの企業がデジタル化に取り組めていない理由についての調査が数多く実施されています。経済産業省や中小企業の調査によれば、データなどを活用する際の課題として最も多いものは、「人材不足」「知識不足」です。
各社、目的や経営課題はあるものの、どのようなデジタルツールによってそれを解決すればよいのかわからない会社が多いのではないでしょうか。
特にデジタルの世界は変化が早いので、知識のアップデートの必要性が高いことも敷居をあげています。
中小企業庁は、現状分析から課題を費用対効果とリテラシーに分類していて、デジタル化の普及にはこの2つの課題を乗り越える必要があるとしています。
費用対効果の課題
中小企業IT投資が進まない背景には、IT投資額と労働生産性との間に明確な因果関係が確認できない。導入効果の見極めが難しいという点があると考えられています。
下記の図は、費用対効果の問題から顕わになった、現状の一例をあげたものです。
業種や、従業員規模が小さくになるにつれて、導入比率が低くなっていることがわかります。
(出展)経済産業省「中小企業白書・小規模企業白書」(2018年)「平成29年特定サービス産業実態調査」、全国中小企業取引振興協会「中小企業・小規模事業者の経営課題に関するアンケート調査」(2016年)、商工中金「中小企業のIT活用に関する調査」(2017年)
リテラシーの問題
2021年、全国の社長の平均年齢は62.49歳で、前年から0.33歳伸びました。調査を開始した2009年以降、2019年の0.43歳アップに次ぐ伸び率で、社長の高齢化が進んでいます。SNS活用率は60歳代が1番低く、また、スマホ普及率は、65%前後を水位しているにもかかわらず、エリア別のIT企業ベンダー数にはかなり差があり、地方のデジタル化やITリテラシーの向上を阻害している要因ともいえます。
(出展)経済産業省「中小企業白書・小規模企業白書」(2018年)「平成29年特定サービス産業実態調査」、全国中小企業取引振興協会「中小企業・小規模事業者の経営課題に関するアンケート調査」(2016年)、商工中金「中小企業のIT活用に関する調査」(2017年)
まとめ
いかがでしたでしょうか。今日は、日本のDX化の課題に関して、ポイントをかいつまんで、解説しました。
投資対効果やリテラシーの問題などはありますが、補助金の活用や、ノーコードやローコードツールの積極的な活用、必要に応じて、フリーランス、中小企業デジタル化応援隊の活用など、前向きに検討を進めるための、環境も用意されています。今後別記事で解説しますね。
来年度の中小企業の補助金などは下記の記事から、
いまのうちに要チェックにゃー。
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