2026年11月8日、サイボウズの業務改善プラットフォーム「kintone(キントーン)」に、新しい機能が追加される予定です。
今回のアップデートでは、業務がどの段階で停滞しているのかを可視化する機能や、AIがkintone内の情報を検索しやすくする機能などが登場します。
さらに、11月18日にはAI機能の利用上限を増やせる有料オプションの提供も予定されています。
「kintoneで業務の改善点までわかるようになるの?」
「AIが社内のデータを調べてくれるって本当?」
「AIを使うには追加料金が必要なの?」
今回は、DX担当ちゃま男と先輩の会話を交えながら、2026年11月の主なアップデートと、中小企業での活用方法をわかりやすく解説します!
kintoneの2026年11月アップデートで何が変わる?
サイボウズが発表した主な更新内容は、次のとおりです。
| 新機能・変更点 | できるようになること |
|---|---|
| プロセス分析 | ステータスごとの滞在時間をグラフで可視化 |
| 作業者向け説明 | 承認や確認作業の手順をステータスごとに表示 |
| 全体検索API | kintone内の複数の情報を横断検索 |
| MCPサーバーの機能拡充 | AIによるkintoneデータの検索を支援 |
| 利用状況ダッシュボード | AI機能ごとの利用状況を確認 |
| AIクレジット追加購入 | AI機能の月間利用上限を追加可能に |
主な機能のアップデート予定日は2026年11月8日、AIクレジット追加購入の開始予定日は11月18日です。
① 業務の「どこで時間がかかっているか」を見える化
今回、特に注目したいのが「プロセス分析」です。
プロセス管理とは?
DX担当 ちゃま男kintoneで仕事が止まっている場所を見つけられるようになるんですか?
でも、そもそもプロセス管理って何でしたっけ?
ちゃま男の先輩仕事の進み具合を、決められた段階で管理する仕組みだよ。
例えば、見積書の承認なら「申請中」「上長確認中」「承認済み」といった状態を管理できるんだ。
今回の更新では、それぞれの状態にどれくらいの時間がかかったかを分析できるようになるんだよ。
ステータスごとの滞在時間をグラフで確認
例えば、ある会社で見積承認業務をkintoneで管理しているとします。
- 見積作成中
- 営業責任者確認中
- 部長承認待ち
- 承認済み
このとき、「部長承認待ち」の状態に長く滞在している案件が多ければ、承認業務に改善の余地があるかもしれません。
新機能では、ステータスの変更履歴をもとに、各段階で費やされた時間を集計してグラフで確認できます。
分析対象の期間や条件も指定できます。
ただし、グラフで表示される滞在時間が長いからといって、その担当者の仕事が遅いと断定できるわけではありません。
案件数が多かったり、顧客からの回答待ちだったりすることもあるため、原因を確認することが重要です。
製造業ではどんな業務に使える?
例えば、次のような業務です。
- 見積書や発注書の承認
- 品質不良の調査・対策・承認
- 設備修理依頼から完了までの管理
- 設計変更の確認・承認
- 社内問い合わせの受付・回答
プロセス管理を設定しているアプリであれば、業務がどの段階で滞っているのかを調べる手がかりになります。
一方、工場の設備そのものが何時間停止したかを、自動で測定する機能ではありません。
設備の停止時間を分析したい場合は、別途、停止日時や復旧日時などの記録が必要です。
② 作業者向けの説明をステータスごとに設定できる
もう一つの新機能が、プロセス管理の「作業者向け説明」です。
これは、業務の各段階で担当者が何をすべきかを説明できる機能です。
例えば「品質責任者確認中」というステータスに、次のような説明を設定できます。
- 不良内容と発生件数を確認する
- 原因調査の結果を確認する
- 再発防止策が記入されているか確認する
- 問題なければ承認する
担当者は、レコード詳細画面の「作業の説明を見る」から内容を確認できます。
DX担当 ちゃま男これなら、新しく担当になった人でも、次に何をすればいいかわかりますね!
ちゃま男の先輩そうだね。
特に、担当者によって確認方法が違っていたり、手順を毎回聞いていたりする会社では役立つと思うよ。
ただし、説明を書く前に、会社として正しい手順を決めておくことが重要だね。
③ kintoneのAI連携が強化!社内データを横断検索
今回のアップデートでは、kintoneの「全体検索API」が利用できるようになります。
APIとは、異なるソフトウェア同士で情報をやり取りするための仕組みです。
例えば、kintoneには次のような情報が登録されているとします。
- 顧客管理アプリ
- 問い合わせ管理アプリ
- 設備保全アプリ
- 社内マニュアル
- スペースの掲示板
- 添付された資料
新しい全体検索APIでは、検索対象を細かく指定しなくても、複数の場所をまとめて検索できます。
検索対象には、アプリのレコードだけでなく、レコードのコメント、スペースのスレッド、添付ファイルの内容も含まれます。
MCPサーバーとの組み合わせでAI活用が広がる
今回、kintone MCPサーバーにも、この全体検索APIを使ったツールが追加されます。
MCPとは、AIが外部のシステムや情報に接続するための共通的な仕組みです。
例えば、対応するAI環境を構築すると、
「A社で過去に発生した設備トラブルを調べて」
「昨年の品質不良と、似たような事例を探して」
といった質問から、kintoneに登録された情報を検索する活用方法が考えられます。
DX担当 ちゃま男じゃあ、kintoneに記録しておけば、AIが何でも答えてくれるようになるんですか?
ちゃま男の先輩そこは少し違うよ。
MCPサーバーを使うには、対応するAI環境との接続設定などが必要なんだ。
それに、AIが正しく答えるためには、kintone側のデータが整理されていることも大切だよ。
AIが利用するデータの権限管理も重要
AIが多くの情報を検索できるようになるほど、誰がどの情報を参照してよいかが重要になります。
顧客の機密情報、社員の個人情報、原価情報などが含まれている場合は、アクセス権限や外部AIへの送信条件を確認しましょう。
なお、MCPサーバーの新機能を利用するには、最新版への更新が必要と案内されています。
④ AIクレジットの追加購入が11月18日から可能に
kintoneでは、AI機能を使う際に「AIクレジット」を消費する仕組みが導入されています。
AIクレジットは、AI機能を利用するためのポイントのようなものです。
AIクレジットの基本ルール
2026年11月時点で公表されている月間付与上限は、次のとおりです。
| 契約コース | 毎月のAIクレジット |
|---|---|
| スタンダード | 契約ユーザー数 × 500 |
| ワイド | 契約ユーザー数 × 1,000 |
| ライト | 対象外 |
例えば、スタンダードコースを20ユーザーで契約している場合、毎月10,000クレジットが付与される計算です。
ただし、余ったクレジットを翌月へ繰り越すことはできません。
AI機能の利用でどれくらい消費する?
代表的な機能では、次のように消費します。
| AI機能 | 1回の利用 |
|---|---|
| 検索AI | 10クレジット |
| レコード一覧分析AI | 10クレジット |
| スレッド要約AI | 10クレジット |
| レコードの音声入力AI | 5クレジット |
| アプリ作成AI | 1クレジット |
例えば検索AIを100回使った場合、1,000クレジットを消費します。
追加購入の料金は?
2026年11月18日から販売予定のAIクレジット追加オプションは、次の料金です。
| 追加クレジット | 月額 | 年額 |
|---|---|---|
| 1,000クレジット | 2,500円(税抜) | 30,000円(税抜) |
AI機能を多く利用する企業では、利用状況を確認しながら追加購入を検討できます。
ただし、最初から追加購入する必要はありません。まずは標準で付与されるクレジットの範囲で、どの機能が役立つか確認するのが合理的です。
中小企業は今回の新機能をどう活用すべき?
今回のアップデートでは、すぐに試せる業務改善機能と、環境構築が必要なAI連携機能を分けて考えることが重要です。
優先度1:すでに使っている業務の停滞時間を確認する
まず、見積承認や問い合わせ管理など、プロセス管理を利用しているアプリを一つ選びましょう。
新しいプロセス分析機能で、特に時間がかかっているステータスを確認します。
その後、実際の担当者に原因を確認し、業務ルールの改善につなげます。
優先度2:作業手順を標準化する
担当者によって確認内容が違う業務では、作業者向け説明機能を使って手順を明確にしましょう。
業務の引き継ぎや教育にも役立つ可能性があります。
優先度3:kintone内のデータ整理を進める
AI連携を本格的に検討する場合は、まず社内データの品質を確認しましょう。
例えば、設備名の表記が統一されていない、同じトラブルが複数のアプリに重複登録されている、対応結果が記録されていない、といった状態ではAIの活用にも限界があります。
優先度4:AI機能の利用状況を確認する
利用できるAI機能を試し、業務時間の削減効果を確認しましょう。
追加クレジットの購入は、どれくらい使用するかを把握してから判断することをおすすめします。
まとめ|kintoneは「情報を管理する」から「業務を改善する」へ
2026年11月のkintoneアップデートでは、プロセス分析や作業者向け説明機能によって、日常業務の改善に役立つ機能が追加されます。
また、全体検索APIやMCPサーバーの強化によって、kintoneに蓄積された社内情報をAIで活用する選択肢も広がります。
ただし、機能が増えたからといって、自動的に業務改善が進むわけではありません。
どの業務に時間がかかっているのか、どの情報が必要なのか、何を改善したいのか。
まずはこれらを明確にし、既存のkintoneアプリを見直すことが重要です。
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※この記事は2026年11月3日時点の公式発表をもとに作成しています。提供予定の機能や条件は変更される場合があります。

