【2026年最新】生成AIに会社の情報を入力して大丈夫?約33万人分の個人情報アップロード事例から学ぶ対策

生成AIへの会社情報の入力リスクを解説。約33万人分の個人情報アップロード事例から学ぶセキュリティ対策

ChatGPTをはじめとする生成AIが、仕事の中でも当たり前に使われるようになってきました。

文章の作成や要約、Excelデータの分析、資料作成など、便利な使い方がたくさんあります。

しかし、そんな生成AIの利用について、気になるニュースが発表されました。

2026年10月23日、パナソニックグループの約33万4,000人分の個人情報を含むデータが、社内で利用を禁止されていた外部の生成AIサービスにアップロードされていたことが公表されたのです。

「AIにデータを読み込ませるだけでも危険なの?」

「無料のChatGPTは仕事に使ってはいけないの?」

「会社ではどんなルールを作ればいいの?」

今回は、DX担当のちゃま男と先輩の会話を交えながら、生成AIの情報漏えいリスクと、安全に活用するための対策をわかりやすく解説していきます!

目次

生成AIに会社のExcelを読み込ませても大丈夫?

DX担当 ちゃま男

先輩!最近、ChatGPTでExcelの分析をしてみたんですけど、すごく便利ですね!

ちゃま男の先輩

それは便利だね!でも、ちゃま男くん。そのExcelには何の情報が入っていたのかな?

DX担当 ちゃま男

えーっと、取引先の名前と担当者の名前、売上金額や商品情報などですね!

ちゃま男の先輩

ちょっと待って!そのデータ、会社から生成AIに入力していいと許可されているものかな?

DX担当 ちゃま男

えっ!?ただExcelを分析してもらっただけですよ?
どこかに公開したわけでもないですし……。

ちゃま男の先輩

実はそこが、今回の大切なポイントなんだよ。
生成AIに入力した文章やアップロードしたファイルは、サービスの仕組みによっては、社外のサーバーに送られて処理されるんだ。

だから、「公開していないから問題ない」とは限らないんだよ。

約33万人分の個人情報が外部生成AIに!何が起きた?

2026年10月23日、パナソニック オペレーショナルエクセレンス株式会社が、外部生成AIサービスへの個人情報アップロードについて公表しました。

同社と子会社が進めていた人事情報システムの導入プロジェクトで、プロジェクトメンバーが、会社で利用を禁止されていた外部の生成AIサービスに個人情報を含むデータをアップロードしていたというものです。

対象となったのは、従業員、元従業員、その家族など、合計約33万4,000人分の情報です。

社員番号、住所、電話番号、メールアドレスなどが含まれており、家族については氏名も含まれていました。

今回の問題は、外部からサイバー攻撃を受けたものではなく、社内のメンバーによるルール違反が原因と発表されています。

ただし、ここで誤解してはいけない点があります。

同社によると、アップロード時にはAIの学習にデータを利用する機能が無効になっていました。また、生成AIサービス事業者への確認などの結果、個人情報が一般に公開された事実や、不正利用による具体的な被害は確認されていません。

今回確認されたのは、禁止された外部サービスへの個人情報のアップロードであり、第三者による不正利用が確認されたということではありません。

DX担当 ちゃま男

33万人分ですか!?ものすごい人数ですね……。
でも、社内の人が使っていたということは、悪意があって情報を盗もうとしたわけではないんですよね?

ちゃま男の先輩

公表内容では、アップロードした目的までは明らかにされていないんだ。
ただ、今回考えたいのは、悪意があるかどうかに関係なく、便利なツールへのデータ入力が企業の情報管理上の問題につながる可能性があるということなんだよ。

そもそも、生成AIへの情報入力はなぜ危険なの?

身近な例に例えてみよう!

例えば、会社の重要な書類を整理したいとします。

社内の会議室で書類を広げて整理するのと、外部の会社に書類を渡して整理してもらうのでは、情報の扱いが違いますよね。

生成AIもこれと似ています。

AIに文章を入力したり、ExcelやPDFをアップロードしたりすると、その情報が外部のサービス事業者のシステムに送られて処理される場合があります。

もちろん、外部サービスを利用すること自体が悪いわけではありません。

問題は、そのサービスが入力された情報をどのように扱うのか、会社が把握しているかどうかです。

例えば、確認すべき点には次のようなものがあります。

  • 入力した情報がAIの学習に利用されるのか
  • 入力データがどれくらいの期間保存されるのか
  • 誰がそのデータにアクセスできるのか
  • データの削除やアクセス制限ができるのか
  • 会社の情報管理ルールや契約条件に適合しているのか
DX担当 ちゃま男

なるほど!AIに情報を渡すということは、外部サービスにデータを預ける場合があるということなんですね!

ちゃま男の先輩

その通り!
ただし、外部サービスに送信したからといって、必ずインターネット上に公開されるわけではないよ。
データの利用方法や保存方法はサービスや契約プラン、設定によって異なるんだ。

無料のChatGPTは危険?有料版なら安心?

DX担当 ちゃま男

じゃあ先輩、仕事では無料のChatGPTを使わない方がいいんですか?
有料版にすれば安全なんでしょうか?

ちゃま男の先輩

無料か有料かだけでは判断できないんだ。
大切なのは、どのサービスの、どのプランを、どんな設定で使っているかなんだよ。

ChatGPTを例に見てみよう

ChatGPTには、個人向けのFree・Plus・Proと、法人向けのBusiness・Enterpriseなどがあります。

2026年10月時点のOpenAIの公開情報では、個人向けサービスでは、設定によって入力内容がモデルの改善・学習に利用される場合があります。

一方、ChatGPT BusinessやEnterpriseなどの法人向けサービスでは、原則として入力や出力をモデルの学習に利用しない設計になっています。

また、個人向けChatGPTでも、設定画面の「データコントロール」から、モデルの改善に会話を利用しないよう設定できます。

ただし、ここでも注意が必要です。

AIの学習に利用されないことと、入力した情報が一切保存・処理されないことは別の問題です。

サービスの機能を提供するための処理や、セキュリティ・法令対応などに伴うデータの保持がある場合もあります。

そして、どんなに安全性に配慮されたサービスでも、会社が入力を禁止している情報を勝手にアップロードしてよいわけではありません。

DX担当 ちゃま男

なるほど!有料版だから何でも入力していいということではないんですね。

ちゃま男の先輩

その通り。
法人向けサービスは安全な運用を考えるうえで有力な選択肢だけど、利用ルールや権限管理もセットで考える必要があるんだ。

中小企業でも起こり得る!身近な3つの事例

ここでは、企業の日常業務で起こり得るケースを紹介します。

※以下は仕組みをわかりやすくするための想定事例です。実際の情報漏えい事故ではありません。

事例① 顧客リストをAIで分析した

ある営業担当者が、営業活動を効率化するため、顧客リストのExcelファイルを生成AIにアップロードしました。

「売上が伸びている顧客を分析してほしい」と指示したのです。

しかし、そのExcelには顧客の会社名だけでなく、担当者の氏名、メールアドレス、電話番号なども含まれていました。

利用しているAIサービスの設定や規約を確認しないままアップロードしたため、個人情報をどのように取り扱うかという問題が生じます。

事例② 製造現場の不良報告書をAIで要約した

ある製造会社では、作業者が不良報告書をAIに読み込ませて、原因を要約させていました。

しかし、その報告書には取引先名、製品図面、製造条件など、社外秘の技術情報が含まれていたのです。

個人情報ではなくても、こうした情報は企業の重要な機密情報です。

契約や利用ルールに反して外部に送信すると、取引先との信頼関係に影響するおそれがあります。

事例③ 社内会議の議事録をAIで作成した

Web会議の内容をAIで文字起こしし、議事録を作成するケースも増えています。

しかし、会議の内容によっては、未発表の新製品情報や顧客との契約条件、人事情報などが含まれている場合があります。

また、会議支援ツールが自動的に外部AIサービスへデータを送信する仕組みになっているケースもあります。

使用するAIツールやデータの保存先を確認せずに導入することは避けたいところです。

DX担当 ちゃま男

こうして見ると、どれも普通の仕事でやってしまいそうなことばかりですね……。

ちゃま男の先輩

そうなんだ。
特別なIT知識がなくてもAIを使えるようになったからこそ、誰でも気づかないうちに情報を外部に送信してしまう可能性があるんだよ。

企業が決めておきたい、生成AI利用の5つのルール

DX担当 ちゃま男

じゃあ、社員が勝手にAIへ情報を入力しないよう、会社で生成AIを全部禁止した方がいいんでしょうか?

ちゃま男の先輩

それも一つの考え方だけど、禁止するだけで問題が解決するとは限らないよ。
大切なのは、安全に利用できる環境とルールを整えることなんだ。

① 会社で利用を認めるAIサービスを決める

社員がそれぞれ好きなAIサービスを使うのではなく、会社として利用を承認するサービスを決めましょう。

必要に応じて、法人向けプランの利用も検討します。

② AIに入力してよい情報・いけない情報を決める

業務データを分類し、入力できる情報の範囲を明確にしましょう。

例えば、公開済みの商品情報や一般的な業務文章と、顧客の個人情報や未公開の製品図面では、取り扱いを分ける必要があります。

③ 個人情報や機密情報は必要最小限にする

分析に不要な氏名や電話番号などは削除しましょう。

例えば、売上分析をするだけなら、担当者名を含む顧客リストをそのまま渡す必要がない場合もあります。

ただし、名前を消すだけでは、他の項目と照合して個人を特定できる可能性もあります。匿名化やデータ加工の方法にも注意が必要です。

④ 社員教育を行う

ルールを作っても、社員がその内容を知らなければ意味がありません。

実際の業務例を使って「何を入力してよいのか」「迷ったら誰に相談するのか」を説明することが大切です。

⑤ 利用状況を管理できる仕組みを作る

会社として誰がどのAIを利用しているのか、把握できる仕組みを整えましょう。

必要に応じて、アクセス制限、管理者による利用設定、利用ログの確認なども検討します。

また、誤って重要情報を入力した場合の報告先と対応手順も決めておきましょう。

もし会社の機密情報をAIに入力してしまったら?

DX担当 ちゃま男

先輩!もし間違って重要な情報をAIにアップロードしてしまったら、チャット履歴を削除すれば大丈夫ですか?

ちゃま男の先輩

削除は必要な対応の一つだけど、それだけで解決するとは限らないんだ。
AIサービスによっては、履歴を削除しても、一定期間データが保持される場合があるからね。

誤って情報を入力した場合は、まず社内の情報管理責任者などに報告することが重要です。

そのうえで、次の内容を確認します。

  • どのAIサービスに送信したか
  • どのような情報が含まれていたか
  • いつ、誰がアップロードしたか
  • AIサービスの保存・削除・学習設定はどうなっていたか
  • サービス事業者への確認や法令・契約上の対応が必要か

個人情報が含まれる場合には、内容や状況によって、個人情報保護委員会への報告や本人への通知が必要になるケースもあります。

DX担当 ちゃま男

なるほど……。問題が起きたときに、すぐ報告できる体制も必要なんですね!

ちゃま男の先輩

そういうこと。
社員がミスを隠してしまう方が問題が大きくなる場合もあるから、早く報告できるルールや職場環境も大切なんだよ。

まとめ:生成AIは「使わない」ではなく「安全に使う」時代へ

DX担当 ちゃま男

先輩!生成AIって便利だから、ついつい何でも読み込ませてしまいそうでした。
でも、会社の情報を扱う以上、ちゃんと考えて使わないといけませんね!

ちゃま男の先輩

そうだね。
今回の事例で大切なのは、生成AIそのものが危険ということではなく、便利さだけを考えて利用すると、思わぬ問題につながる可能性があるということなんだ。

DX担当 ちゃま男

それなら、会社としてルールを決めて、安全に使える環境を整えることが重要ですね!

ちゃま男の先輩

その通り!
AI活用を進めることと、情報を適切に守ることは、どちらも企業のDXに欠かせない取り組みなんだよ。

生成AIは、中小企業にとっても業務効率化や人手不足への対応など、大きな可能性を持つ技術です。

だからこそ、利用をただ制限するのではなく、情報の取り扱いを理解し、安全に使える仕組みを整えることが重要になります。

「自社ではどんなAIが使われているのか」「どのような情報を入力してよいのか」

今回のニュースをきっかけに、ぜひ一度、社内のAI利用状況を確認してみてはいかがでしょうか。

参考情報

※本記事は2026年10月28日時点の公開情報に基づいて作成しています。生成AIサービスの仕様やデータの取り扱いはサービス・契約・設定等によって異なります。

生成AIへの会社情報の入力リスクを解説。約33万人分の個人情報アップロード事例から学ぶセキュリティ対策

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